書評・レビュー
『私の恋人』 著者:上田岳弘 出版:新潮社 初出「新潮 2015年4月号」レビュー・あらすじ・論評・感想2015年 第28回三島由紀夫賞受賞作品。著者の上田岳弘氏は『太陽』で第45回新潮新人賞受賞、同作は第27回三島賞候補にも。二作目の『惑星』では第152回芥川賞候…
いまや累計39万部を売上げ、大ベストセラーとなった又吉直樹氏(ピース)の『火花』 先の純文学を対象とした「三島由紀夫賞」でも異例の長時間に渡った選考の課程で、受賞作となった上田岳弘氏の『私の恋人』とW受賞に出来ないか?という議論も出たほど文壇…
新潮社が主催する文学賞第28回「三島由紀夫賞」と「山本周五郎賞」が5月14日発表されました。 (6/1『私の恋人』書評・感想を追加) 三島由紀夫賞には上田岳弘氏の『私の恋人』山本周五郎賞は柚木麻子氏の『ナイルパーチの女子会』がそれぞれ受賞。 話題の又…
既報の通り第28回三島由紀夫賞の候補作品が発表されましたが「山本周五郎賞」の候補作品も発表されています。 第28回山本周五郎賞候補作 真梨幸子「人生相談。」(講談社)▽早見和真「イノセント・デイズ」(新潮社)▽湊かなえ「絶唱」(新潮社)▽西川美和「…
第28回「三島由紀夫賞」の候補作品が発表され、35万部のベストセラー作品となっている又吉直樹氏(ピース)『火花』がノミネートされていることが分かりました。 他候補作:岡田利規「現在地」(河出書房新社) 滝口悠生「愛と人生」(講談社) 高橋弘希「指…
『鹿の王』上・下巻 著者:上橋菜穂子 出版:角川書店 レビュー・あらすじ・感想 2015年「本屋大賞」受賞作品。著者の上橋氏は、これまでに、野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。小さなノーベル文学賞とも言われる「国際アンデル…
4月7日「本屋大賞2015」既にノミネートされていた10作品の中から大賞作品として上橋菜穂子著『鹿の王』が受賞しました。(書評を追加 2015/4/15) 翻訳小説部門はピエール・ルメートル著『その女アレックス』が受賞。 【スポンサーリンク】 .my_adslot { wid…
いよいよ3月11日、又吉直樹(ピース)『火花』が発売されます。初版15万部に急遽発売前増刷3万部を加えた18万部という純文学作品では考えられない初版部数。 『火花』が掲載された、昭和9年創刊の長い歴史を誇るあの文芸誌『文學界』も初の増刷に踏み切らせ…
又吉直樹氏(ピース)『火花』出版記念イベント「火花」の秘話(ひばな)にかねてから親交の深い直木賞受賞されたばかりの西加奈子氏が出演します。 3月21日(土)赤坂・草月ホールにて17時30分から開演(開場16時30分)全席指定4500円(税込)ですが、料…
先頃第152回「直木賞」授賞式を終えられた西加奈子氏。『オール讀賣』最新号2015年3月号では、直木賞選評・抄録、自伝エッセイ、全作品紹介、林真理子氏との記念対談、西加奈子を敬愛する自身も新刊発売が迫る又吉直樹氏の寄稿等、大々的な特集が組まれてい…
最終更新:2016年9月30日 『怒り』上・下巻 著者:吉田修一 出版:中央公論新社 2015年「本屋大賞」ノミネート・候補作! レビュー・感想・あらすじ・映画原作監督・脚本:李相日、渡辺謙、宮崎あおい、妻夫木聡、松山ケンイチ、池脇千鶴、森山未來、綾野剛ら豪華キャストで映…
最終更新:2015年7月16日 又吉直樹氏『火花』の掲載により、昭和8年の創刊の歴史を誇る「文學界」2月号が初の増刷・再増刷を行ったと話題になったことは記憶に新しい。 そして今日1月30日に「文藝春秋社」が『火花』の単行本化を決定し、3月11日に発売すると…
最終更新:2018年8月19日 『満願』著者:米沢穂信(よねざわ ほのぶ) 出版:新潮社 第27回山本周五郎賞受賞 ミステリーランキング3冠(2015年版「このミステリーがすごい! 」第1位 2014「週刊文春ミステリーベスト10」 第1位 2015年版「ミステリーが読みたい…
『信長死すべし』著者:山本兼一 出版:角川文庫 あらすじ・感想 2009年の直木賞受賞作『利休にたずねよ』の山本兼一氏が、織田信長はなぜ本能寺の変で討たれたのか?歴史上裏切り者の誹り(そしり)を受け続けた明智光秀がなぜ信長を裏切ったのか?天下統一…
今年2015年の「本屋大賞」ノミネート10作品が発表されました。今後のスケジュールとしては今日1月21日から「二次投票スタート」2月11日「翻訳小説部門投票締切」3月1日「二次投票締切」4月7日(火)に栄えある「大賞作品、発掘部門、翻訳小説部…
『九年前の祈り』著者:小野正嗣 出版:講談社 第152回芥川賞受賞作品。あらすじ・感想。 シングルマザーのさなえはカナダ人との元夫の間に生まれた幼子希敏(ケビン)を連れて、故郷大分に戻る。地方にありがちな閉鎖性、保守的な考えを崩さない母親。地元…
以前に放送され好評だった「椎名林檎×西加奈子」NHK EテレSWITCH(スイッチ)インタビュー達人達。 その西加奈子氏が直木賞を受賞したことで「緊急アンコール放送」として「2月7日(土)」に再び放送される様です。 初回放送は番組途中で緊急地震速報が流れ…
最終更新:2015年10月31日『その女アレックス』著者:ピエール・ルメートル 訳者:橘明美 文春文庫 あらすじ・感想余り馴染みの無い「フランスミステリー」で、現代フランスミステリー界を代表する気鋭の作家、ピエール・ルメートル氏による作品。フランス文…
第152回「芥川賞・直木賞」受賞者・受賞作発表。昨晩の内から「特設コーナー」を設けた各書店には受賞作品を求める人で賑わい、Amazonでは受賞作の品切れ状態となっています。 昨晩の小野氏、西氏の受賞会見で、両氏は執筆・作品に掛ける考え方、拘り、文学…
第152回「芥川賞」は小野正嗣氏『九年前の祈り』が受賞。 同「直木賞」は西加奈子氏『サラバ!』が受賞。 今回は両賞とも5作品ずつのノミネートから1作品ずつの受賞です。 【スポンサーリンク】 .my_adslot { width: 300px; height: 250px; } @media(min-w…
最終更新:2015年6月25日【レビュー・あらすじ・感想】又吉直樹氏(ピース)今回の初純文学作品『火花』の雑誌「文學界」史上初の増刷。純文学作品として異例の単行本増刷と話題性が先行したが、文学的評価も高く三島賞、第153回芥川賞候補に選ばれている。
第152回直木賞候補にノミネートされている大島真寿美氏の作品『あなたの本当の人生は』 今は書くことを止めてしまった謎多き伝説のファンタジー作家森和木ホリーに、その大ファンであり文学新人賞受賞後伸び悩む新人作家國崎真美が豪邸で住み込みの不思議な…
最終更新:2017年12月6日 1964年のノーベル文学賞に「日本人作家」4人が同時に候補に挙がり、最も受賞に近い位置まで残ったのは谷崎潤一郎だったという事実が2日に開示されたスウェーデン・アカデミーの議事録から明らかになりました。 この年は世界の76人の…
万城目学氏の7年ぶりの「短編集」第152回直木賞候補作品としてノミネートされている。 中国の古典を題材に5編。これまでの「万城目作品」のイメージを覆し、表題作にもある通り中島敦氏を意識した漢文調で格調高い文体で描かれている。 著名な作品の脇役か…
更新:2018/06/23 今を時めく「西加奈子氏」の作品であり、第152回直木賞受賞作品。2017年10月6日文庫発売! 著者初の「長編小説」として、主人公「歩(あゆむ)」の半生を描いている。作品の舞台のイラン、大阪、エジプトは著者が実際に歩んできた場所でもあ…
「純文学とエンターテインメントに垣根はない」純文学作家・阿部和重とエンターテインメント作家・伊坂幸太郎の合作作品『キャプテンサンダーボルト』 文藝春秋社が大々的に売り出し、阿部・伊坂両氏が4年の歳月を費やして執筆した作品だ。 それぞれのジャ…
第152回目となる芥川賞・直木賞の候補10作品が日本文学振興会から発表されました。(平成26年下半期) 選考委員会による受賞作決定は東京・築地の「新喜楽」で来年1月15日に行われ発表、贈呈式は2月中旬の予定です。 芥川賞4度目のノミネートとなった小野…
昨日(11月15日)の日米野球第3戦の「ノーヒットノーラン」を観て『20』を思い出した。 小説でスポーツ、特に野球モノを描くのは難しいとされてきたが、堂場氏は見事にその定説を覆した。 弱気でコントロールに難のあるルーキー投手が、身売りの決まった…
中村航氏、中田永一氏の共同執筆で上梓され「小説執筆支援ソフト」というソフトを使って書かれた作品。 中村氏の母校である芝浦工業大学と中村氏の共同で小説執筆支援ソフト「ものがたりソフト」を開発し、中村・中田両氏でこのソフトを使い執筆し、今回の作…
今回の文学界新人賞は板垣真任氏の『トレイス』が受賞作となった。 最近、多くなってきた感のある「家族もの」であり祖父の「認知症」を扱った作品だ。 【スポンサーリンク】 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 2014年下半期「芥川賞・直…