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【文学賞・書評】第153回直木賞候補作品発表!馳星周氏は6回目の候補!受賞作予想!

最終更新:2015年7月16日 受賞作品予想を追加しました!

第153回直木三十五賞(平成27年上半期)の候補作6作品が6月19日付で発表されました。

西川美和氏の『永い言い訳』は直近の第28回山本周五郎賞候補に続き、直木賞で連続ノミネート。同じく柚木麻子氏『ナイルパーチの女子会』も西川氏同様、山本賞(受賞)、直木賞連続ノミネートとなりました。

また既に「ノワール小説」界で御大とも言える地位を築いている馳星周氏は『アンタッチャブル』で6度目の直木賞候補に選ばれました。

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※第153回直木賞は東山彰良氏『流』の受賞となりました!

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【第153回 直木三十五賞 候補作品】

■馳星周『アンタッチャブル』(毎日新聞出版)

馳星周氏は『不夜城』でデビュー。第116回の直木賞候補になり、大ベストセラーにもなりました

同作品は「第18回吉川英治文学新人賞」受賞。第15回日本冒険小説協会大賞も受賞しています。

『鎮魂歌-不夜城II』で第51回日本推理作家協会賞を受賞。

『漂流街』で第1回大藪春彦賞受賞。

『夜光虫』で第120回直木賞候補ノミネート。

『M』で第122回直木賞候補。

『ダーク・ムーン』で第15回山本周五郎賞候補。

『生誕祭』で第130回直木賞候補。

『約束の地で』で第138回直木賞候補と、既にこのジャンルの大家であり、今回で6度目の直木賞候補になります。

■西川美和『永い言い訳』(文藝春秋)

西川美和氏は映画の世界で活躍され、映画監督・脚本家として活動する傍ら、作家としての才能も発揮し、文学の世界でも高い評価を受けています。

また今回候補作『永い言い訳』は第28回「山本周五郎賞」候補作にもなりました。

自ら監督・脚本を手掛けた映画「ゆれる」では、カンヌ国際映画祭監督週刊に出品。

自身でノベライズした『ゆれる』では第20回三島賞候補。

『きのうの神さま』では第141回直木賞候補にノミネートされる等、映画、文学の両方の世界で高い評価を受け、多彩な才能を発揮しています。

■柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文藝春秋)

柚木麻子氏は『フォーゲットミー、ノットブル』で第88回オール讀物新人賞受賞

『伊藤くん A to E』で第150回直木三十五賞候補ノミネート。

『本屋さんのダイアナ』で第151回直木賞候補。

前述の通り、今作『ナイルパーチの女子会』では第28回山本周五郎賞を受賞。続けて同作品で今回の直木賞連続ノミネートとなりました。

■澤田瞳子『若冲』(文藝春秋)

■書評記事

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澤田瞳子氏は歴史学者として研究に携わる傍ら、時代小説の傑作選編集を手掛け『孤鷹の天』で小説家としてデビューし、第17回中山義秀文学賞を受賞。

『満つる月の如し 仏師・定朝』では第32回新田次郎文学賞を受賞。

そして、江戸時代の奇才の画家「伊藤若冲」を描いた『若冲』が今回の直木賞候補にノミネートされました。


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■東山彰良『流』(講談社)


東山彰良氏は台湾生まれで9歳の時、日本へ移住。

『路傍』で第11回大藪春彦賞を受賞。

『ブラックライダー』で第67回日本推理作家協会賞候補にノミネート。

自身のルーツとも言える1970年代の台湾を描いた『流』で、今回の直木賞候補にノミネートされました。

■書評記事

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■門井慶喜『東京帝大叡古教授』(小学館)


門井慶喜氏は『天才たちの値段』で第39回オール讀物推理小説新人賞候補

『女子校時代ライブラリー』で第40回オール讀物推理小説新人賞に連続して候補ノミネート。

『いちばん嫌いな親友』で第41回オール讀物推理小説新人賞候補に3回連続ノミネート。

そして『キッドナッパーズ』で第42回オール讀物推理小説新人賞候補の4回連続ノミネートされ、晴れて受賞。

『人形の部屋』で第61回日本推理作家協会賞候補。

『パラドックス実践』で第62回日本推理作家協会賞候補。

そして今回『東京帝大叡古教授』で第153回直木賞候補にノミネート。

最近になって「役に立たない文系学部の廃止・統合」といった文科省からの指針が議論を呼んでいるが、まさに今作は明治時代を背景に文系教授が遭遇した事件の究明に乗り出す作品となっています。

■ゐ太夫的「直木賞予想」(7月15日前日予想)

書評記事として掲載していない作品もありますが、全作品読了していますので、◎→○→▲で6作品中3作品を挙げます。
出版界、文壇の大人の事情的なものは考慮せず、今回の候補作とそれ以前数作品と作者を基にしての評価です。

◎ 東山彰良『流』

世代、国境を超えながら自身に流れる血、ルーツを思い求める主人公を描いたスケールの大きさと、その青春時代の日常を当時の台湾の世相や価値観で描いた描写力を高く評価しました。
大河小説でありながらミステリー小説、青春群像劇でもあるストーリーを冗長にせず1冊にまとめる技術もあり、東山氏の作風の幅も垣間見せ、今回の作風をメインにしていけば、文章表現と構成に少々粗い部分はあるものの、今後の日本文学界にとって新たな風を巻き起こしてくれる存在になり得るという期待も込めて◎

○ 西川美和『永い言い訳』

西川氏のこれまでの作品とまだまだ書き切れないテーマをたくさん抱いていどうな将来性を考慮すると、◎に持って行きたいのですが、今作はこれまでの西川氏の作品とどうしても比べてしまうところもあり、作品のテーマや主人公の苦悩の内面描写力、物語途中からの独創性は相変わらず素晴らしいのですが、では今作が直木賞受賞に相応しいか?となると次点という評価になってしまいます。

▲ 澤田瞳子『若冲』

長い間、世に出ることのなかった伊藤若冲の独特の画風や奇才と呼ばれた背景を、歴史資料を丹念に調べ上げつつ「なぜ、若冲は奇才と呼ばれ、人嫌いで独特の画風であったのか?」を物語としてフィクションとして見事に表現した発想と表現力、作品として深みを持たせた筆力を評価。
『若冲』だけで見ると◎評価ですが、今後、ずっとこの路線で行くのか?扱うテーマを変えて行くのか?その辺りが見えて来ないだけに▲とさせて頂きました。


馳星周氏『アンタッチャブル』はどこまでが本気・正気?でどこまでが冗談・病気?か分からないエリート公安刑事と捜査一課から左遷?されてきた刑事の2人の人間模様と事件の謎解きをベテラン作家らしく読ませるコメディノワール作品として、実に巧みに描かれていますが本作が直木賞受賞となると何か違和感を感じます。これまでの作品でもっと直木賞受賞に向いている作品も多いのも私が選外とした理由です。

門井慶喜『東京帝大叡古教授』は明治後期に時代設定に、これまた本気と冗談の区別が付きにくい東京帝大天才政治学者と、熊本から上京してきた真面目な学生が日露戦争後の混乱の中、最高学府を中心に次々と起きる連続殺人事件を、当時の著名政治家、作家達も登場させながら軽妙洒脱に当時の東京の街や登場人物が眼前に見える様な描写力で描いた力作だが、本作も直木賞受賞作品に相応しいか?というと違和感を感じざるを得ないので、選外とします。

柚木麻子『ナイルパーチの女子会』は、現代社会の世相を見事に描き、コンプレックス、心の闇を抱えた女性2人の関係を描き、特に物語のテーマも相俟って2人の内面を深くえぐっていく様な表現力とそのストーリーの構成力も素晴らしく、さすが山本周五郎賞を受賞した作品と得心するし、柚木氏も多彩なテーマを多く描ける作家であることを考えると、既に同作品で山本賞を受賞しているからという理由ではなく、今後別作品で直木賞を受賞するレベルの作品をまだまだ多く出版してくるであろう将来性から、今回は選外としました。

以上、筆者ゐ太夫が手前勝手に予想をしてみました



受賞作が決まっても候補に挙げられた作品で、未だ書評として記事化していないものも、掲載していくつもりでいます。

果たしてどの作品が153回目の直木賞の栄誉に輝くのか?

16日の「第153回直木賞発表」は新たに速報記事として別項で掲載する予定ですので、是非ご一読頂ければと思っています。


(153回芥川賞候補発表記事はこちら)
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直木賞候補作品でも、芥川賞候補作と同じく読了したものの、未だ書評記事化していない作品、読書中のものもあるため、出来るだけ上記作品書評記事を掲載して予定でいます

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