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【速報・書評】第153回「芥川賞」又吉氏、羽田氏W受賞!「直木賞」は東山氏が受賞!【動画】

最終更新:7月17日 受賞発表・会見映像・動画を追加

第153回芥川賞(平成27年上半期)が発表され、芥川賞には又吉直樹氏『火花』羽田圭介氏の『スクラップ・アンド・ビルド』のダブル受賞となりました!

同直木賞には、東山彰良氏『流』が受賞となっています!両賞の発表の瞬間と喜びの会見の模様の映像動画と、3作品の書評も合わせてご紹介します。

今回の芥川賞は6作品の候補の中から2作、直木賞も6作品からの東山氏の単独受賞となっています!

また個人的には、直前受賞予想で1位とした芥川賞・羽田氏、直木賞・東山氏がそれぞれ受賞され、芥川賞で3位に予想した又吉氏も受賞となり、書評を書く身として予想が的中したことは最上の喜びでもあります。

※当記事は速報記事ですので、情報が入り次第追記をしていきます!

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以下、今回「芥川賞・直木賞」を見事受賞された3作品と3人の作家のご紹介です。

【第153回芥川賞受賞作品】

■又吉直樹著 『火花』

◇『火花』書評・レビュー・あらすじ・感想

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又吉氏『火花』は先の三島賞でも最終候補の二作に選ばれ、異例の長時間に渡る選考会の末「三島賞」での受賞はなりませんでした。

文学的評価は高くこれまでも余り例のない「芥川賞」「三島賞」純文学二大文学賞両方にノミネートとなり、晴れて芥川賞での受賞となりました。

(又吉直樹氏が「情熱大陸」出演)
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■羽田圭介 『スクラップ・アンド・ビルド』 (文學界3月号)

文學界 2015年 2月号 (文学界)

文學界 2015年 2月号 (文学界)

羽田氏は高校在学中に『黒冷水』で第40回文藝賞。

『走ル』で芥川賞候補ノミネート。

『ミート・ザ・ビート』で第142回芥川賞候補。

『ワタクシハ』で第33回野間文芸新人賞候補。

『盗まれた顔』で第16回大藪春彦賞候補。

『メタモルフォシス』で第151回芥川賞候補と第36回野間文芸新人賞候補に同一作品二賞ノミネート。

羽田氏は今回で4回目の芥川賞候補ノミネートで、ついに受賞となりました!

◇『スクラップ・アンド・ビルド』書評・レビュー・あらすじ・感想

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【芥川賞受賞候補作品紹介記事内のゐ太夫受賞予想 抜粋】

■第153回芥川賞受賞作品直前予想

予想は6本中3本を◎○▲で評価しています。

◎ 羽田圭介 『スクラップ・アンド・ビルド』

最近多い老人の介護や認知症を主題に置きながらも、独自のスタイルでストーリーを展開させ、よくありがちな介護する側、される側という対立軸に主題を持って行かなかったこと。
介護する側の孫を主人公にしているが、祖父の「ボケたふり」にも見える行動に懐疑的な嫌悪を抱きつつも、医学・介護システムの発達により「無理に生かされている祖父」に対し、人間の尊厳・人格の否定を感じ行動に移そうとする主人公の内面を見事に描いています。
社会問題ともなり、小説のテーマとしても多用されている介護問題を敢えてぶつけて、文壇だけでなく現代社会が抱える闇に挑んでいこうとする著者の将来性も評価し◎

○ 滝口悠生 『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』

自身の体験・記憶を現在の視点から過去を追憶するこちらも最近多用されている「時間軸もの」ですが、意図的に主人公の記憶を混濁させている節があり、文体の乱れ、物語、時間軸の乱れによって読者と主人公を一体化させようとする技術は高い評価に値します。
滝口氏も気鋭の作家として幅広い作品を多く描いており、独特の世界観や主題も持っており、今後の文壇を背負って立つであろうことも評価し○
主題も物語も全く違いますが、直近の三島賞で「時間軸もの」の一番手と言ってもいい上田岳弘氏の『私の恋人』が受賞していることは、今回マイナスに評価されるかもしれません。

▲ 又吉直樹 『火花』

島本理生氏『夏の裁断』と迷いましたが、島本氏はこれまでも優れた作品を多く描いており、今作での「芥川賞受賞」は違和感を感じるので、又吉氏を三番手に。

お笑い芸人が人を笑わせる陰にある、知られざる芸人の苦悩を描き、先輩芸人と主人公の究極の笑いとは何か?をベースにした掛け合いでのストーリー進行の独自性と奇をてらわない描写と技術を評価。
掛け合いの中で、それぞれの内面を丁寧に描き、当該作品に通底する葛藤や破綻と言ったものを、意図的に大仰に表現せず、シンプルに淡々と進行させる技術を評価し▲

【第153回直木賞受賞作品】

■東山彰良『流』(講談社)


東山彰良氏は台湾生まれで9歳の時、日本へ移住。

『路傍』で第11回大藪春彦賞を受賞。

『ブラックライダー』で第67回日本推理作家協会賞候補にノミネート。

自身のルーツとも言える1970年代の台湾を描いた『流』で、今回の直木賞候補に初めてノミネートされ、晴れて受賞となっています!

■『流』書評・レビュー・あらすじ・感想

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【直木賞候補作紹介記事でのゐ太夫受賞予想】

■ゐ太夫的「直木賞予想」(7月15日前日予想)

書評記事として掲載していない作品もありますが、全作品読了していますので、◎→○→▲で6作品中3作品を挙げます。
出版界、文壇の大人の事情的なものは考慮せず、今回の候補作とそれ以前数作品と作者を基にしての評価です。

◎ 東山彰良『流』

世代、国境を超えながら自身に流れる血、ルーツを思い求める主人公を描いたスケールの大きさと、その青春時代の日常を当時の台湾の世相や価値観で描いた描写力を高く評価しました。
大河小説でありながらミステリー小説、青春群像劇でもあるストーリーを冗長にせず1冊にまとめる技術もあり、東山氏の作風の幅も垣間見せ、今回の作風をメインにしていけば、文章表現と構成に少々粗い部分はあるものの、今後の日本文学界にとって新たな風を巻き起こしてくれる存在になり得るという期待も込めて◎

○ 西川美和『永い言い訳』

西川氏のこれまでの作品とまだまだ書き切れないテーマをたくさん抱いていどうな将来性を考慮すると、◎に持って行きたいのですが、今作はこれまでの西川氏の作品とどうしても比べてしまうところもあり、作品のテーマや主人公の苦悩の内面描写力、物語途中からの独創性は相変わらず素晴らしいのですが、では今作が直木賞受賞に相応しいか?となると次点という評価になってしまいます。

▲ 澤田瞳子『若冲』

長い間、世に出ることのなかった伊藤若冲の独特の画風や奇才と呼ばれた背景を、歴史資料を丹念に調べ上げつつ「なぜ、若冲は奇才と呼ばれ、人嫌いで独特の画風であったのか?」を物語としてフィクションとして見事に表現した発想と表現力、作品として深みを持たせた筆力を評価。
『若冲』だけで見ると◎評価ですが、今後、ずっとこの路線で行くのか?扱うテーマを変えて行くのか?その辺りが見えて来ないだけに▲とさせて頂きました。


馳星周氏『アンタッチャブル』はどこまでが本気・正気?でどこまでが冗談・病気?か分からないエリート公安刑事と捜査一課から左遷?されてきた刑事の2人の人間模様と事件の謎解きをベテラン作家らしく読ませるコメディノワール作品として、実に巧みに描かれていますが本作が直木賞受賞となると何か違和感を感じます。これまでの作品でもっと直木賞受賞に向いている作品も多いのも私が選外とした理由です。

門井慶喜『東京帝大叡古教授』は明治後期に時代設定に、これまた本気と冗談の区別が付きにくい東京帝大天才政治学者と、熊本から上京してきた真面目な学生が日露戦争後の混乱の中、最高学府を中心に次々と起きる連続殺人事件を、当時の著名政治家、作家達も登場させながら軽妙洒脱に当時の東京の街や登場人物が眼前に見える様な描写力で描いた力作だが、本作も直木賞受賞作品に相応しいか?というと違和感を感じざるを得ないので、選外とします。

柚木麻子『ナイルパーチの女子会』は、現代社会の世相を見事に描き、コンプレックス、心の闇を抱えた女性2人の関係を描き、特に物語のテーマも相俟って2人の内面を深くえぐっていく様な表現力とそのストーリーの構成力も素晴らしく、さすが山本周五郎賞を受賞した作品と得心するし、柚木氏も多彩なテーマを多く描ける作家であることを考えると、既に同作品で山本賞を受賞しているからという理由ではなく、今後別作品で直木賞を受賞するレベルの作品をまだまだ多く出版してくるであろう将来性から、今回は選外としました。

以上、筆者ゐ太夫が手前勝手に予想をしてみました

【第153回芥川賞・直木賞受賞発表・会見映像】

youtu.be

(全編4時間40分に及ぶ長い動画です。芥川賞発表の瞬間は1時間25分辺りから始まります)


芥川賞の又吉氏、羽田氏のW受賞は人気低迷が叫ばれる純文学の世界が少しでも人気復活をする契機になってくれればと思っています。

また直木賞受賞の東山氏の『流』は真実の台湾を知るうえでも、血族・ルーツとは何か?国境とは?何か?を深く考えさせてくれる作品です。

また、個人的な話で恐縮ですが「受賞予想」で両1位に挙げた作品と3位に挙げた又吉氏が芥川賞・直木賞を受賞し、ほぼ予想が的中したことには喜びを感じています

今回の受賞作3作品は本当に素晴らしい作品ばかりですので、是非是非ご一読ください!


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