ザハ・ハディド女史は、謂わずと知れた「世界的建築家」であり、2020年 東京オリンピックのメイン会場「新・国立競技場」のコンペティションに於いても、ザハのデザインが採用されたが、周辺の景観との整合性の問題、建築費等の問題で批判が出ている事実もある。
仕事柄、ザハの建築理念を見たかったのと、批判も出ている「新・国立競技場」の
デザインへの理念も、しっかりと自分の眼で確認し再考したいという思いがあった。
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私が訪れたのは、開場時間11時を10分ほど過ぎたばかりだったが、
週末ということもあってか既に多くの人が入場していた。
ただ、人でごった返してしっかりと見られないということは無かったので、
もし、これから行かれる方は早い時間帯をお勧めする。
(ザハ・ハディド展・公式HP)
ザハ・ハディド|東京オペラシティアートギャラリー
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会場内は4部構成に分かれており、以下のようになっている。
(1)初期の世界でのザハの歩みと日本との関係をペインティングやドローイング、
模型で表現したものの紹介
(2)(3)前衛的過ぎると言われたザハのデザインが認められだし、世界各地で建築物として
現実のものになったものの映像やコンセプトの紹介
(4)そして、今回採択された「新・国立競技場」デザインコンセプトとザハの目指すもの
私は建築物の大小を問わず「無機質」「ソリッド」「前衛的」なものが好きであり、
ザハ・ハディド女史のデザインは、そのかなり好きな部類のひとつだ。
日本との関わりは、1990年前後から建物内装やアパートデザイン等で関係があり、
意外と歴史があることは、初めて知った。
そして、世界各地での現在実際に建っているザハの建築物の映像も見られるのだが、
彼女独特のソリッドな建築デザインは、周囲に建築物があるとより際立っており、
「周囲との景観の整合性」という意味合いに於いては、突出しているのは事実だ。
4部の「新・国立競技場」のデザイン案は、様々な角度から周辺の神宮外苑の森や
聖徳記念館、神宮球場、第2球場、東京体育館等も入れた形で表現されているのだが、
周囲との整合性という観点からは、そこまで突飛な印象は受けなかった。
ただ「明治神宮の外苑にあのようなデザインはそぐわない」という批判には、
私もどうにも答えようはない。
高い建築費の問題と併せて、神宮外苑にそぐわないということであれば、
あれば最初から「ザハ案」を採択しなければ良かったとしか言い様がない。
これまでのザハのデザインからすると「新・国立競技場」は、
抑制されたデザインだというのが私が抱いた感想でもある。
ザハ女史と「新・国立競技場」の問題について、ネットで見た限りにおいて、
私が一番秀逸だと思った記事を「東スポ」さんが書いているので、掲載しておく。
(東京スポーツ・電子版)
新国立がかわいく見えるザハ・ハディド展 | ニュースのフリマ
ザハ展は、彼女が「全体像」を持っていることもうかがわせる。建物の単品というよりも、複数の施設を総合した「コンプレックス」のような一体感のあるエリアも構想しており、それが実現すると奇抜な建築物も違和感が減る。
ということで、あの巨大かつ斬新すぎる新スタジアムを東京の象徴にするなら、それこそ明治天皇にちなんだ神宮の森を大改造し“ザハ特区”とするぐらいの覚悟がなければ、採用すべきではなかったのではないか?
皆さんも、ご自分の眼で「ザハ・ハディド女史」のデザインとコンセプトを
お確かめになられては如何だろうか?
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