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【動画・文学賞】第152回「芥川賞・直木賞」小野正嗣氏・西加奈子氏「受賞会見」全編映像 ゐ太夫的似非文学論も少々

第152回「芥川賞直木賞」受賞者・受賞作発表。昨晩の内から「特設コーナー」を設けた各書店には受賞作品を求める人で賑わい、Amazonでは受賞作の品切れ状態となっています。

昨晩の小野氏、西氏の受賞会見で、両氏は執筆・作品に掛ける考え方、拘り、文学・芸術との向き合い方、今後の出版界への思いを口にされています。両氏とも笑顔が素敵で、素直に喜びを表わし、時に冗談を交えながらも真摯に受け答えをされていて、非常に好感の持てる華やかな会見となりました。

昨晩の「会見生中継」の模様の全編動画がアップされていますので、ニュースを見逃した方、会見の一部をニュースで見て両氏のその他の発言も気になる方、約1時間10分と少し長いですが、是非ご覧下さい。

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第152回「芥川賞・直木賞」受賞者記者会見 生放送 - YouTube
芥川賞の小野氏は、現在、立教大学文学部文学科(文芸・思想専修)という
謂わば「実践的文学の場」に於いて主に「創作」「批評」
「現代フランス語圏文学」を教授・研究されています。

会見の中でも、これまでの批評家としての立場から、
今回作者に立場を変え芥川賞を受賞したことに関し
『「読む」ことは「書く」ことである』という
まさに「実践的文学」の「表裏一体性」を表明されたものと解釈しています。

また、今回の受賞作『九年前の祈り』に関しては、作品を舞台を
氏の故郷大分に置いていることに関しては、

「小説は土地に根ざしたもの。世界の文学も土地と人間を描いている。非常に個別の世界を描くことが普遍的なものにつながる。小説は僕が書いたかもしれないが、土地が小説を書いたと思う。(亡くなった)兄が僕を後押しした」

と、一地方としての土地(自身のルーツ)ローカル・個別性と世界的普遍性の
対比と同一性という、これも前述の「表裏一体性」と同義である氏の「文学」に
対する考え方の一端と考察しています。

九年前の祈り

九年前の祈り

九年前の祈り

九年前の祈り


【書評・レビュー】第152回芥川賞受賞作品 『九年前の祈り』 小野正嗣 著 - [ゐ]ゐ太夫のぶろぐ
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西加奈子氏は、ここまで支えてくれたデビュー当時の「編集者」への
感謝の思いを正直に吐露され、自身の作品に限らず一人でも多くの人に
書店で本を買って欲しいという、自分を育ててくれた出版界を盛り立てたいという
思いを口にされています。

西氏は、これまでも全国の書店を足繁く周り「サイン会」で直接読者の方と触れ合う機会を
大事にされ、自身で描いている本のイラストの個展等も積極的に開かれ、
「読書離れ」や「出版不況」が叫ばれる中、謂わば作家西加奈子自身が体を張って
「営業活動」をし、口だけで「本離れ」を憂う作家が多い中、労苦を惜しまない活動を
されています。

サラバ! 上

サラバ! 上

サラバ! 下

サラバ! 下


【書評・レビュー】西加奈子著 『サラバ』 第152回直木賞候補作品 - [ゐ]ゐ太夫のぶろぐ

今回の受賞にあたっては「エンタメ分野」では既に確固たる地位を築き上げた
彼の「万城目学氏」を抑えての「直木賞受賞」

【書評・レビュー】万城目学著 『悟浄出立』 第152回直木賞候補作品 新潮社刊 - [ゐ]ゐ太夫のぶろぐ
万城目氏が『悟浄出立』で、これまでの作風を一新したことの評価が
分かれた部分もあるとは思いますが、西加奈子氏の今の勢いが裏打ちされ、
ある意味、氏の作家生活10年の集大成の思いもこもった受賞作『サラバ!』に
軍配が上がったものと推察しています。

以上、私・ゐ太夫の拙い「エセ文学論」「エセ出版論」も交えてしまいましたが、
実際に会見映像で、小野氏、西氏の思いをご覧頂ければと思います。

今後のお二方のご活躍と作品も楽しみにしています。

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