WEC･世界耐久選手権第3戦「ルマン24時間耐久レース2015」にワークスとしては実に1999年以来の出場となる日産･ニスモチームの「GT-R LMニスモ」の3台すべてが、決勝グリッド降格処分を受けることになりました。
これは予選でポールポジションを獲得したポルシェ18号車のタイム、3分16秒887の110%以内に入らなければならない、いわゆる「110%ルール」に抵触したもので、ニスモチームの中で一番速かった22号車でも、3分36秒995のタイムで110%を超えているために受けたペナルティです。
予選総合で12、13、15番グリッドを確保したニッサン･モータースポーツチームでしたが、ポールポジションを獲得したポルシェ18号車のタイムの110%から３台とも外れており、22号車は30番、23号車は31番、21号車も32番グリッドへ降格という処分が下されました。
ニッサンGT-R LMニスモは「LMP1クラス」での出場ですが、今回の降格は「LMP2クラス」後方までグリッドを下げることになります。
■ルマン24時間耐久2015 決勝グリッド（LMP1主要チーム ニッサン降格後）
| 順位 | NO | チーム | CAR | タイム |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 18 | ポルシェ | ポルシェ919ハイブリッド | 3'16''887 |
| 2 | 17 | ポルシェ | ポルシェ919ハイブリッド | 3'17''767 |
| 3 | 19 | ポルシェ | ポルシェ919ハイブリッド | 3'18''862 |
| 4 | 8 | アウディ | アウディR18 e-トロン・クワトロ | 3'19''866 |
| 5 | 7 | アウディ | アウディR18 e-トロン・クワトロ | 3'20''561 |
| 6 | 9 | アウディ | アウディR18 e-トロン・クワトロ | 3'20''997 |
| 7 | 2 | トヨタ | トヨタTS040ハイブリッド | 3'23''543 |
| 8 | 1 | トヨタ | トヨタTS040ハイブリッド | 3'23''767 |
| 22 | ニッサン | ニッサンGT-R LMニスモ | 3'36''995 | |
| 23 | ニッサン | ニッサンGT-R LMニスモ | 3'37''291 | |
| 21 | ニッサン | ニッサンGT-R LMニスモ | 3'38''691 |
ポールのポルシェ18号車の3分16秒887の110％タイムは「3分36秒575」であり、徐々に速さを増していったニッサン22号車は総合タイムで3分36秒995まで伸ばしてきており、あと0.420秒というところでの無念の降格になってしまいました。
ニッサンは、実に99年以来のワークスとしてのルマン24時間出場。
しかも関係者の度肝を抜いたFFのマシンで、本来WEC･世界耐久選手権の開幕戦から出場予定でしたが、予定より遅れ３戦目ルマンにぶっつけ本番での出場となりました。
【ニッサン･ニスモチーム ルマン2015直前映像】
youtu.be
（映像:Youtube NISMO TV公式アカウントより）
ルマン24時間直前テストでは、出場全車の中で最高速を記録しており、関係者の間でもルマンの長丁場で「どこまで耐久性･信頼性があるか？」に関心が寄せられていました。
この降格処分は残念ですが、チームも重く受け止めてはおらず、決勝スタートからニッサンGT-Rがごぼう抜きをしていくシーンが見られる可能性は高く、楽しみが増えたとも言えます。
満を持して出場してきたニッサンGT-Rの速さと耐久性に、注目が集まるだけに、スピード差のあるLMP2クラス後方からのスタートで、直後のトラフィックに巻き込まれリタイアだけは避けたいところです。
（ポルシェ優勝！決勝レースのダイジェスト映像、速報記事はこちら）
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（途中経過 ハイライト動画集はこちら）
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