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【文学・書評】第154回(平成27年下半期)直木賞候補作発表!ノミネート5作!あらすじ・受賞作予想

最終更新:2016年1月19日 受賞予想を追加!
第154回直木三十五賞候補(2015年下半期)5作品が発表されました!直木賞受賞選考会・発表は2016年1月19日。書評は随時掲載していきます。

今回は第152回直木賞で『鬼はもとより』で候補となった青山文平氏以外の梶よう子氏、深緑野分氏、宮下奈都氏、柚月裕子氏はすべて初のノミネートというフレッシュな顔ぶれとなりました!

すべて読了、または書評を掲載したうえで、154回直木賞受賞作品予想も追記する予定でいます。




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第154回直木賞は、青山文平氏、芥川賞は、滝口悠生氏、本谷有希子氏が受賞しました!

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第154回(平成27年下半期)直木三十五賞候補作品

選考委員 浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき(敬称略)

青山文平『つまをめとらば』(文藝春秋)

青山文平氏は、18年の出版社勤務を経てライターへ転身。

1992年に「俺たちの水晶宮」で第18回中央公論新人賞を受賞。(影山雄作名義)

2011年に青山文平名義にて「白樫の樹の下で」で第18回松本清張賞を受賞。

2014年『鬼はもとより』で第152回直木三十五賞候補。同作で第17回大藪春彦賞受賞。

2015年『つまをめとらば』で第6回山田風太郎賞候補。第154回直木三十五賞候補。

梶よう子『ヨイ豊』(講談社)

(書評はこちら)
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梶氏はフリーライターとして活躍する傍ら小説を執筆。これまでに多数の作品を世に出しています。

2005年には時代小説「い草の花」で第12回九州さが大衆文学賞の大賞を受賞。

2008年に「槿花、一朝の夢」で第15回松本清張賞を受賞。『一朝の夢』と改題し刊行。

2015年、歌川広重、歌川国芳と並び「歌川の三羽烏」と称された義父歌川豊国没後に、浮世絵を守ろうとする兄弟の姿を描いた『ヨイ豊』で第154回直木三十五賞候補。


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深緑野分(ふかみどり のわき)『戦場のコックたち』(東京創元社)

深緑氏は、現在書店員の傍ら小説を執筆されています。

2010年に短編小説「オーブランの少女」で第7回ミステリーズ!新人賞(東京創元社主催)で佳作入選し、作家デビュー。

2015年、第二次大戦のノルマンディー上陸作戦にコック兵として従軍し、作戦の最中に起こる奇妙な事件、不思議な謎に遭遇し「戦場に於ける日常の謎」を解き明かすミステリー作品『戦場のコックたち』で第154回直木三十五賞候補。

宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)

「静かな雨」が第98回文學界新人賞佳作に入選し、作家デビュー後、多数の作品を上梓。

2010年には「よろこびの歌」が第26回坪田譲治文学賞の候補。

2012年『誰かが足りない』が第9回本屋大賞で第7位入賞。

2015年、ピアノの調律師の青年が、ピアノの旋律を通じて世界と調和し、成長していく姿を描いた『羊と鋼の森』で第154回直木三十五賞候補。

(書評はこちら)
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柚月裕子(ゆづき ゆうこ)『孤狼の血』(KADOKAWA)

(書評記事はこちら)
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2007年『待ち人』で山新文学賞入選・天賞受賞(地元紙・山形新聞主催の文学賞)

2008年に『臨床真理』で宝島社主催の第7回『このミステリーがすごい!』大賞で大賞を受賞しデビュー。

2012年『検事の本懐』で第25回山本周五郎賞候補、2013年に同作で、第15回大藪春彦賞受賞。

2015年、昭和63年に広島の所轄所に配属され、ある暴力団系列の金融会社社員失踪事件の捜査を担当することになった主人公が、極道との癒着を噂され、荒っぽい手法で違法捜査を繰り返す先輩刑事と共に、やがて組同士の抗争事件にまで発展し、それを食い止めるための先輩刑事の秘策に対し、本当の正義とは何か?信じられるものは何か?主人公の葛藤を描いた作品『孤狼の血』で第154回直木三十五賞候補。

ゐ太夫の寸評

青山文平氏以外の4名が初のノミネートという第154回直木賞候補。

同芥川賞候補が、4回目の本谷有希子氏を筆頭に、2~3回目の複数回ノミネートが5名で、初候補は1人という状況で、中堅作家まで候補に入る直木賞と、主に新人を扱う芥川賞が逆転した様な形になりました。

と言っても、やはり、小説家としてデビューしてからの年数やこれまで上梓した作品数の多い作家は直木賞に多く、今回は対象期間内に力作を出版された「作品勝負」という感を強く持ちました。

歴史・時代ものが2作、ミステリーが2作、青春群像ものが1作とバランスは良く、梶氏の『ヨイ豊』は最近多く見られる歴史・美術作品で、ジャンルで言えば前回の澤田瞳子『若冲』に続いてのノミネート。

ミステリーものは、 深緑野分氏の『戦場のコックたち』がノルマンディー上陸作戦を舞台にした異色の作品で、舞台設定だけでも興味深いものがあります。

柚月裕子、宮下奈都両氏は、既に高い評価と一定の地位を築いており、今回の候補作がどう評価されるか?が鍵になってくるでしょう。

ゐ太夫の受賞予想

今回は実力者揃いで、予想が難しいのですが、静かな筆致ながら読者を引き込む力は群を抜いている宮下奈都氏の『羊と鋼の森』に◎

甲乙付けがたいのが、圧倒的な迫力、リアリティ、主人公の心理描写力、ストーリー展開の巧みさを披露した柚月裕子(ゆづき ゆうこ)氏の『孤狼の血』に○

第二次大戦、ノルマンディー上陸作戦でのアメリカ軍の若い兵士達と、ドイツ軍の壮絶な戦いをコック兵という兵站部隊兵士の目線を使って描いた発想力、戦争ものでありながら、青春群像、ミステリーの要素も取り入れ、ラストまで持って行く著者の筆力と将来性を評価し、深緑野分氏(ふかみどり のわき)『戦場のコックたち』を△とさせて頂きます。


(第154回芥川賞候補発表記事はこちら)
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第154回 芥川賞・直木賞 受賞発表 記者会見 生中継・配信

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