トヨタ自動車が開発した「水素エンジン」の特許技術を「無償提供」のニュースは世界中を駆けめぐり、高い評価を得ている。
これまでも何度か触れてきた優れた日本の技術の、脱ガラパゴス化から世界規格の覇権を握る争いに討って出る形となった。
今日、7日は日立製作所が鉄道発祥の地イギリスへ「高速鉄道」866両を受注した内の、第一弾として76両が出荷された日でもある。
「ものすごい英断」と驚きの声、トヨタ燃料電池車の特許無償開放 | Reuters
「世界のトヨタ」復権への一里塚になるか?
世界各メーカーが凌ぎを削る「次世代燃料電池車」の部門において、
トヨタは自社が持つFCVの関連の特許技術をすべて「無償開放」する旨を
6日に発表した。
トヨタのFCV(燃料電池車)は、まだ水素エンジンの製造コストも高く、
水素ステーション等のインフラ設置にも、巨額のコストが掛かる。
インフラ導入・整備には、トヨタ型の燃料電池車の普及が不可欠であり、
その普及によって、整備コストを下げ、より普及のスピードを上げようという目算だ。
ゐ太夫のぶろぐでは、これまでも何度か日本の優れた技術を
「ガラパゴス化」に終わらせず、世界へ発信し「世界規格」の覇権を
積極的に獲りにいくことを提唱してきた。
フィーチャーフォン(ガラケー)の技術力は、未だに日本の技術は高いが
スマートフォンの普及によりシェアを奪われる形となり、
多くのメーカーの業績が悪化していったことは記憶に新しい。
携帯電話に限らず日本の技術開発力は依然として世界トップレベルながら、
販売戦略の拙さで、世界でのシェアを獲れない状態は大きな課題であった。
今回「名より実を取った」トヨタ自動車の「特許開放」は、これまでになかった
「したたかさ」を感じ、今後の日本メーカーの先導役となることも期待される。
いくら技術力が高くても「自社規格」を「世界規格」にしなければ、
当然売上には繋がらず、宝の持ち腐れになってしまう。
日本は世界に誇れる新幹線・高速鉄道の技術を持ち、その分野でも世界中の
規格覇権国となれる資格を有している。
【鉄道・経済】東海道新幹線285キロ最高時速に!各新幹線の最高速度は?トップクラスの技術の「国際規格化」「売り込み」の課題と展望 - [ゐ]ゐ太夫のぶろぐ
ちょうど、今日7日に日立製作所が、あの鉄道発祥の国イギリスへ受注した866両の内、
76両を第一弾として出荷したばかりだ。
高速鉄道の分野の世界的需要、市場規模は大きく、技術大国日本として、
高い技術と安全性を武器に売り込みを図り「新幹線規格=世界規格」となる様な
大量受注を目指して貰いたい。
今後はますます「世界規格」を巡る世界の企業の熾烈な争いが予想される。
戦争ではない技術分野での「規格」の覇権国家となれる要素・資格を日本は十二分に
有している。
これこそが本当の「経済成長戦略」の幹の部分となっていくのではなかろうか。
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