最終更新:2016年2月10日 文藝春秋3月号掲載について
第154回芥川龍之介賞(平成27年下半期)は滝口悠生氏『死んでいない者』本谷有希子氏『異類婚姻譚』の2作品が受賞。直木三十五賞は青山文平氏の『つまをめとらば』の受賞が発表されました!受賞記者会見映像もどうぞ!
滝口悠生(たきぐち ゆうしょう)氏は『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』で前回第153回芥川賞候補。今回、2度目のノミネートで受賞!本谷有希子(もとや ゆきこ)氏は、第135回、第141回、第145回に次ぎ、4度目のノミネートで受賞となりました!
直木賞の青山文平(あおやま ぶんぺい)氏は『鬼はもとより』で第152回直木賞にノミネート。今回、2度目のノミネートでの受賞となっています。
第154回芥川賞は前回に続きW受賞!
第154回芥川龍之介賞は、前回第153回の羽田圭介氏、又吉直樹氏に続いて、W受賞となりました。
滝口悠生氏 『死んでいない者』
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/11/07
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (1件) を見る
書評
滝口氏は、東京都八丈町出身の1982年生まれ。
2011年「楽器」で第43回新潮新人賞小説部門受賞。
2014年『寝相』で第36回野間文芸新人賞候補。
2015年『愛と人生』で第28回三島由紀夫賞候補、第37回野間文芸新人賞受賞。
『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』で第153回芥川龍之介賞候補。
今回「死んでいない者」で2回目連続ノミネートとなり、第154回芥川龍之介賞受賞となりました。
本谷有希子氏 『異類婚姻譚』
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/10/07
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (2件) を見る
本谷氏は、石川県白山市出身の1979年生まれ。
ENBUゼミナール演劇科に入学後、松尾スズキ氏のクラスに在籍し、在学中から女優活動を開始。
その後、2000年に「劇団、本谷有希子」主宰。
ENBUゼミナール在籍中に松尾スズキ氏から、台本を書くことを薦められ、執筆活動を開始。
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で第18回三島由紀夫賞候補。
『生きてるだけで、愛。』で第135回芥川龍之介賞候補、第20回三島由紀夫賞候補。
『遭難、』で第21回三島由紀夫賞候補。
「あの子の考えることは変」で第141回芥川賞候補。
『ぬるい毒』で第24回三島由紀夫賞候補、第145回芥川賞候補、第33回野間文芸新人賞受賞。
『自分を好きになる方法』で第27回三島由紀夫賞受賞。
今回『異類求婚譚』で、4度目のノミネートで、第154回芥川賞を受賞し、笙野頼子氏、鹿島田真希氏に次ぐ3人目の純文学新人賞三冠(野間文芸新人賞、三島由紀夫賞、芥川龍之介賞)作家にもなりました!
第154回芥川賞・直木賞発表 記者会見 映像
youtu.be
(記者会見は、2時間45分頃から始まります)
尚、候補作品は以下。
石田千『家へ』(群像7月号)/3回目
上田岳弘『異郷の友人』(新潮12月号)/2回目
- 作者: 上田岳弘
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/01/29
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
加藤秀行『シェア』(文學界10月号)/初
- 作者: 加藤秀行
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/02/12
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
松波太郎『ホモサピエンスの瞬間』(文學界10月号)/3回目
- 作者: 松波太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/02/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
※2月10日発売「文藝春秋 2016年3月号」にて、滝口悠生著「死んでいない者」、本谷有希子著「異類婚姻譚」の全文及び、選考委員全員の選評が掲載されています。
第154回直木賞
青山文平 『つまをめとらば』
青山文平氏は、横浜市出身の1948年生まれ。
フリーライターから小説家へ転向後、一度断筆。
その後、2011年、時代小説家へ転身し執筆を再開。『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞受賞。
『鬼はもとより』で第152回芥川賞候補。
『つまをめとらば』で、第154回直木賞で二度目の候補となり、晴れて受賞となりました!
尚、今回候補作品は以下。
青山文平『つまをめとらば』(文藝春秋)/2回目
梶よう子『ヨイ豊』(講談社)/初
深緑野分『戦場のコックたち』(東京創元社)/初
宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)/初
柚月裕子『孤狼の血』(KADOKAWA)/初
滝口悠生氏は、2011年のデビューから、第36回野間文芸新人賞候補作の『寝相』第28回三島由紀夫賞候補作、第37回野間文芸新人賞受賞作となった『愛と人生』第153回芥川賞候補作『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』と、音楽をバックボーンとした力作が多く、純文学ながら物語を広げていく力、将来性の面でも、実力は折り紙付きで、多くの評論家、作家も認める作家であり、作品でした。
本谷有希子氏は、これまで芥川賞3度のノミネート。劇団主催者として、戯曲、脚本でも活躍され、本谷氏も実力は認められていましたが、4度目のノミネートで、晴れて受賞。
前述した通り、これまでの「野間文芸新人賞」「三島賞」に次いで今回「芥川賞」を受賞し、笙野頼子氏、鹿島田真希氏に次ぐ3人目の純文学新人賞三冠にも輝き、文学の歴史に名を刻むこととなりました。
直木賞受賞の、青山文平氏は、影山雄作という名義で、一度純文学系の作家としてデビューも断筆。10年のブランクを経て2011年に青山文平名義「白樫の樹の下で」で第18回松本清張賞を受賞し、時代小説家として再デビュー。
今回、『鬼はもとより』の第152回に続く2度目のノミネートで、晴れて受賞となりました。
青山氏の受賞会見からも、長い苦労が報われた嬉しさを語られています。
今回の直木賞候補は、青山氏以外の4人は全員初ノミネートとなり、即受賞は選考上難しい事情もあったと思われますが、実力者も多かっただけに、今後の作品に期待しています。
※受賞作書評は、順次掲載します。
(関連記事)
h-idayu.hateblo.jp
h-idayu.hateblo.jp
h-idayu.hateblo.jp
※ゐ太夫のぶろぐは「ブログ村」「ブログランキング」に参加しております。
ご協力のクリックを頂ければ、幸いです。
人気ブログランキングへ