「壊れた信号機」
と揶揄され続けた、これまでのタイガースの3塁コーチ。
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時に余裕のセーフのはずが、ストップを掛け得点機を失い、
「いや、それ無理やろ!」というタイミングで、3塁を回してしまい、
やはり相手捕手は仁王立ちで待ち構え、余裕のホームタッチアウト。
まさに「壊れた信号機」とはよく言ったものだ、という惨状が何年も続いた。
そんなタイガースに
走塁革命
を起こすべく招聘された、
WBCでも3塁コーチ
をしたほどの
「ミスター3塁コーチ」高代延博
その匠の技とも呼んでいい
打球判断の良さ
は彼がこれまで延べ8球団
(WBC含む)のコーチ歴があることでも明白だ。
中日コーチ時代の2006年には「本塁憤死1」
という輝かしい記録も残した。
あの毒舌の
野村克也氏でさえ「高代は日本一の3塁コーチ」
と認めている。
高代コーチは「有能」という評価は失礼なくらいだ。
あの「グルグル回る」魔法の信号機は、
奇跡の日本シリーズ出場を決めたCSファイナルステージでも、
威力を発揮し、少なくとも2得点は高代コーチの判断のお陰だったと
私は見ている。
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1つ目は、ファイナル第2戦の3回、投手岩田が四球で出塁後2塁まで進塁、
そして上本がセンターへタイムリーを打った時、
なんと高代は、2塁ランナー岩田を本塁へ回した。
センターからの返球は、ストライクで返ってきたものの、
岩田の足が一瞬早く入り、際どくセーフの判定。
これが、この試合の初得点だった。
投手でありながら激走、上手いスライディングを魅せた岩田も凄いが、
その投手岩田に「ゴー」を掛けた高代の瞬時の判断は、
他には真似の出来ない「技」だったと思っている。
そして2つ目が、ファイナル4戦目の7回。
満塁、ダメ押しのチャンスでゴメスが外角球を上手く
レフト前へ打ったタイムリーの時だ。
レフトは途中から入った大田。
前進して勢いを付けてバックホーム体制に入るも、高代は2塁ランナー上本に
グルグル「ゴー」を掛ける。
大田からの返球も、ほぼストライク返球だったが、上本の足が一瞬早かった。
ここで、貴重な2点目のダメ押しに成功した。
どちらも、走者だった選手のスライディングも上手かったのだが、
今までのタイガースであったら「ストップ」が掛かったか、
一瞬の差でアウトだった可能性が高い。
シーズン中で最も印象深かったのは、この試合、このシーンだろう。
中畑監督サヨナラ退場、球審に体当たり - プロ野球ニュース : nikkansports.com
1点リードの9回1死満塁。阪神今成が左前打を放った。三塁走者坂が生還し、二塁走者マートンも本塁を狙った。左翼松本からボールを受けた遊撃白崎が本塁へ送球。タイミングはアウトに見えたが、マートンの足が捕手黒羽根の足の間をすり抜けてホームをとらえた方が早かったと判定された。一瞬にして逆転サヨナラ負けとなった。
今成のレフト前ヒットで、あのマートンに「ゴー」を掛け、横浜・中畑監督は
サヨナラ後の退場劇になるほどの「際どいタイミング」だったが、
やはりVTRで見ると、マートンの足が「ほんの一瞬」早く入っていた。
共通しているのは、上本は俊足だが、足の遅い岩田とマートンにさえ
「ゴー」を掛け、本当に際どくギリギリセーフのタイミングで、
非常に重要な点(先制、サヨナラ)を奪ったことだ。
おそらく、捕手のブロックからタッチまでの「一瞬の隙を付くスライディング」も
教えたのだろうが、走者が「あの高代コーチが回すなら」と、
何の躊躇もなく思い切り三塁を蹴り、失速することなく本塁へ突っ込んでいく
「安心感と勇気」を、あの「グルグル」が与えている様に思えて仕方ない。
魔術師「高代延博」
を手放してはいけない!
まだまだ、彼には教えて貰わなければいけないことが多すぎるから。
(文中 敬称略)
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