2人とも「昭和の男らしい男の中の漢」であり「男が惚れる漢」であり、肩書きは「俳優」ではなく「映画俳優」と名乗れる人であった。
「男らしい男」などと言うと「時代遅れ」や「じゃあ女らしい女って何?女性差別じゃないか?」とかいう訳の分からん批判が出るが、いつの頃からか「優しそう」「爽やか」「綺麗な顔」という様な形容詞が付く「俳優」がTVドラマの主演を張るようになっていった。
【スポンサーリンク】
私は、ふと『仁義なき戦い』を無性に観たくなる時が
定期的に訪れる。
つい2ヶ月程前もその「無性に観たくなる時」が来て、
菅原文太さんの「男らしい格好良さ」に改めて惚れ込んだばかりだった。
『仁義なき戦い』は当時、深作欣二監督が主役を誰にするか?で
一悶着あったようなのだが、菅原さんが原作を読み
「是非、主役をやりたい」と深作監督に頼み込んで、
あの名作が生まれた。
【スポンサーリンク】
『仁義なき闘い』では冒頭から暴力シーンがあり、血しぶきが飛ぶ。
カメラワークも凄く、画面が揺れまくり臨場感は素晴らしいが、
見入ってしまうと、酔ってしまいそうなほどだ。
菅原文太さん追悼番組として、今の自主規制だらけのテレビ業界で
『仁義なき戦い』の再放送が出来るのか?見物だ。
私は、今ちょうど40歳で、思春期の頃にいわゆる「トレンディードラマ」
真っ盛り世代なのだが、さすが「トレンディー」というだけあって、
こんなドラマがあって、誰々が主役で、この人がヒロインでという様なことは、
思い出せるのだが、このシーンを強烈に覚えているという様なことは、
皆無に等しい。
あったとしても、何やら気恥ずかしい気さえするのだ。
『仁義~』の菅原文太演じる広能昌三の台詞やシーンには強烈な
記憶とともに、男の格好良さや生き様、男気といったものに、
ある種の「普遍性」をも感じる。
多分、こういったことを今の「草食系男子」と呼ばれる(このネーミングは嫌いだが)
若い子達に話して、上手く伝わるかどうか?は自信がない。
また、高倉健さんも菅原文太さんも『映画俳優の~』と名乗ったり、肩書きが付く
おそらく最後の世代の方々だったのではなかろうかとも思う。
菅原文太さんはCMやバラエティー番組にも出演されていたが、
やはり肩書きは『映画俳優』なのだ。
今「映画俳優」の○○さんと呼ばれる人は少なく、殆どが「俳優」の○○さんだろう。
高倉健さん、菅原文太さんの頃は「映画」が花形で儲かる時代だったという
事情もあるが、今の俳優さんの中で私の頭の中で『映画俳優』と呼べそうな人は、
数人しか頭に浮かばない。
高倉さんも菅原さんも、間違いなく『ビッグスター』であった。
今は「会いに行けるアイドル」や身近に感じる芸能人がもてはやされ
「スター」という言葉はとっくの昔に死語になった。
高倉健さんに続き菅原文太さんが亡くなられたことに、何か大事なものを失った
喪失感というものを感じている。
今はただただご冥福を祈るばかりだ。
<初回生産限定>仁義なき戦い Blu‐ray BOX [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2013/03/21
- メディア: Blu-ray
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2014/02/07
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (4件) を見る