最終更新:2016年8月14日
去就が注目されていた松山英樹のリオ五輪参加問題。松山は「WGCーブリヂストン招待」最終日のラウンド後に、正式に代表辞退、オリンピック欠場を表明した。
これまで、多くのトッププロ達がリオ・オリンピック辞退を表明する中、早々に代表に内定していた松山もジカ熱に加え、治安、衛生上の問題から、悩み抜いた末の代表辞退となった。
そもそもリオデジャネイロで本当にオリンピックを開催出来るのか?というくらい現地の健康・衛生・治安面のリスクは高まっており、かの元ブラジル代表のリバウドが、命の危険もあり、リオ五輪観戦に来ない様、自身のインスタグラムで警告を発している。
【目次】
リオ五輪に関する様々なリスクと諸問題
松山英樹 オリンピック辞退表明コメント
「ジカ熱もありますし、虫に指されたときのアレルギーの反応が良くなっていない。そういう不安があるところでは、まだプレーを避けたほうがいいかなと思う」
「刺されても、腫れたりもせず、普通にプレーできるのであれば問題ないんですけど、(リオデジャネイロに)行って、腫れてプレーができなくなったらもっと良くないと思いました。それプラス、ジカ熱の問題も、治安の問題もある」
(引用:GDO)
今回の辞退表明によって、一部マスコミ等からのバッシングを受ける可能性もあるが、ジカ熱等の健康・衛生上の問題では、松山はこれまでにも何度かコース上で虫に刺され、その後のプレーに支障を来たしたことがあり、虫刺されのアレルギー反応の問題も抱えていれば、致し方ない決断だ。
現在のブラジルの状況
健康・衛生面
以前から言われているジカ熱の問題では、今年1月~4月までにジカウイルス感染症(ジカ熱)に感染した疑いがある人が約12万人に達したと、ブラジル保健相が発表。
ジカ熱は、蚊がジカウイルスを媒介し、人に感染すると稀にギランバレー症候群を発症することがあり、人から人へも感染し、妊婦が感染すると、胎児が小頭症を発症する可能性もある。
ただ、現在ブラジルでは豚インフルエンザの方が大きな問題となっており、今年1月から6月11日までの豚インフルエンザによる死者が1003人となったと6月末に保健相が発表。
感染者数は5214人と確認されており、感染した場合の死亡率が20%超という強毒性の高いウイルスだ。
治安面 リバウドの警鐘
治安の悪さは、以前から指摘されており、強盗殺人や身代金目的の誘拐等の発生件数は、非常に高く、特に世界のゴルフトッププレーヤーは、知名度が高い上に、高額所得者であり、狙われる可能性は高い。
世界ランキング上位の選手達がこぞって出場辞退を表明するのは、例えバッシングを受けようが、自分の生命・安全は自分で守るしかない、敢えてリスクの高い場所に行かないという判断に基づいている。
これは、世界ランク1位のジェイソン・デイが、リオ五輪辞退表明の際「東京での開催なら絶対に参加した」というコメントからも、治安の悪さが辞退理由の大きな要素であることが分かる。
また、そのリスクはオリンピック参加選手のみならず、当然観客にも生じる可能性はあり、サッカー元ブラジル代表のリバウドが警鐘を鳴らしている。
「今朝、強盗がこの17歳の少女を殺した。このような酷いことはブラジルで常に起きる」
「私は、ブラジル観光やリオ五輪観戦に訪れる人に、自らの国に留まることを勧めたい。命を危険にさらすことになる。言うまでもなく、十分な病院や警察も混乱している。私たちのブラジルを変えられるのは神だけだ」
(引用:フットボールチャンネルHPよりリバウドのインスタグラム記事)
財政危機 非常事態宣言
開催地リオデジャネイロ市民、ブラジル国民の怒り
五輪を開催するリオ州が6月17日、深刻な財政危機により治安や保健、教育、交通などの行政サービスが実施できなくなるとして「非常事態」を宣言し、政府は29億レアル(約890億円)の緊急支援を行う方針を明らかにした。この財政状況では市民の生活を改善できるわけもなく、3月には汚職や経済低迷に抗議する人々が全土で約300万人参加の「歴史的」といわれるデモが行われた。
(引用:産経ニュース)
「オリンピックなど開催する予算があるのなら、我々の生活を守ってくれ」「この不況で、なぜオリンピックを開催するんだ?財政が破綻する!」といったデモは随分前から起こっており、やはりというべきか、住民の懸念が現実のものとなり、先月リオ州は財政危機による「非常事態宣言」を出した。
一時期、BRICSの一員として、高い経済成長が見込まれるとされたブラジルだが、景気は急激に悪化しており、GDPはマイナス成長、直近の失業率は11.2%となり、この状態でオリンピックを開催することへの、怒り・不安は収まるどころか、オリンピック開幕を目前にして、より高まっている。
華々しい舞台の裏に、オリンピック開催を強行したことにより財政破綻の危機に陥り、苦しい生活を送っている人々がいることも、忘れてはならない。
事ここに至っては、オリンピックの経済効果の恩恵を受けるのは、海外企業と国内富裕層ばかりで、地元住民にはむしろマイナス効果になってしまうのではないだろうか。
松山英樹、オリンピック辞退から話が逸れたが、抗議の意味を込めて不参加を決めた選手もいるかも知れない。
今後のオリンピックの有り方や、2020年東京オリンピックでのゴルフ競技の方式・ルールについても、折に触れ考えていきたい。
(リオ五輪・男子ゴルフ競技 TV放送・組合せ・スタート時間・優勝予想・ルール・概要)
www.idayu.jp
(松山英樹 今後の出場予定・スケジュール)
www.idayu.jp
(PGA 2017 新シーズン ツアースケジュール・日程)
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(石川遼 今後の出場予定・スケジュール)
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